事例紹介

事例1

「ものとられ妄想のあるAさん」(相談経路:ケアマネージャー、民生委員)

  • 本人の状況
    70代の女性。独居。認知症状がある。夫はすでに死亡し、一人息子は県外在住。
    ケアマネージャーがデイサービスの利用を提案したところ、「預金通帳や保険証書が盗まれる(実際は、自分で保管した場所を忘れてしまう)のが心配で家を空けれない。」との訴えがあったことから、本人、長男に了解を得た上で、民生委員が善意でこれらを預かることになった。
    しかし、Aさんはまもなく、物盗られ妄想から民生委員に強い疑いをもち、両者の間でトラブルが起きてしまった。
契約後の変化
 通帳や印鑑は社協で保管。生活支援員が毎月1回、本人に必要額を届け、その都度通帳を見せながら収支状況を説明することで、本人の納得を促している。
 通帳自体を第三者の機関が保管することで本人の安心感にもつながり、民生委員との関係も戻り、生き生きサロンやデイサービス等の外に出て行くようになった。

事例2

「頼れる親族がいない視覚障害者のBさん」(相談経路:民生委員)

  • 本人の状況
    60代の男性。視覚障害者。2度の離婚暦があり、子どもはいない。
    他に頼れる親族もいない。 視覚障害のため、気安く契約書にサインをしてしまい、何度も訪問販売による被害が見られた。
    預金の払い戻しの際はホームヘルパーに金融機関まで同行してもらっていた。
契約後の変化
 「金銭管理については自分でやっていきたい。しかし、利用する福祉サービスを決める時や、契約する時には相談に乗ってもらいたい。」との本人の希望を尊重し、本事業では契約時の相談・助言を中心に支援をしている。
 ホームヘルパーや民生委員以外にも相談相手が存在することで、本人の安心感につながっている。
 見守りの目を増やし、孤立させないことで、間接的に訪問犯罪から守っている。